返信先: 子育ての重圧

#2988
こあら院長
ゲスト

さとみんさん、
非常に共感できる書き込み、誠にありがとうございます。

最近、子どもさんの発達を気にして来られる患者さんが本当に増えています。
2歳くらいで、「うちの子は終わった…」みたいな発言をされる親御さんもおられて、
「いやいや、2歳で何がわかるの~」と言いたくなることが多々あります。
まじめなお母さんほど心配や不安が強く、お子さんはそれなりに育っていても、
あら探しばかりされているように感じています。

子育てで大切なことが明らかに変化してきているのです。

子どもを育むというのは、待つことです。
芽を出して、花になり、実を結ぶ。
すぐに結果なんて出ません。
育む側にひたすら子どもを信じて待つ忍耐が必要なのです。

でも、この激動の現代社会、大人もなかなか待てないんですよね。
20年ほど前に、子どもの心の研修会で聴いて、なるほどなぁと思ったのは、
「マクドナルドのペースに慣れてしまうと、モスバーガーで待つのがストレスになる」
っていう感想でした。
たしかに、待てないんですよね。

じつは、子育てや教育って、その国の文化や産業、時代背景も大きく影響します。
私が子どもの頃には、学級通信のタイトルは、わかば、めばえ、すぎのこ等の植物用語がよく使われていました。
子どもの自然な成育過程は、農作物の栽培と同じで、人智の及ばない、お天道さま任せという感性があったのでしょう。

しかしながら、日本の基幹産業が農業から工業に移り、効率よく精巧な規格品を製造することが主流になりました。
それにつれて、学校もまるで株式会社のように経営され、PDCA(Plan-Do-Check-Action)サイクルを回し、
子どもたちのQCD(質・コスト・納期)を最大にするべく、努力するのが一番の目的みたいになってきています。

子どもって、親が作り上げる「もの」じゃないですよね。
でも、社会からの、産んだんだからちゃんと育て上げろよ!という圧力は、
どんどん強まっているというわけです。

その結果、規格に合わない子どもたちは急増し、心の問題や不登校は深刻になってきています。
授かった命を感謝するより、どんなモノに作り上げるのかが子育ての最も重要な課題となり、
効率化や迅速化も避けられない状況です。

はやく、ちゃんと、いい子に育て上げる。
そんな子育て、しんどいに決まっています。

さらに、今後、産業が製造業からネットでの仮想的業務へと進んでいくと、
リアルな子育てや教育をしていなくても、いかに、効果的なことをしたようにみせるかの競い合いになりそうです。
それに対抗するにはどうすればよいのか。

人間も動物なので、毎日の「リアル」を大切にしましょう!
生きているとは、食べる、寝る、動くことです。
晩ごはんは家族で団らん。あほなことを言い合いながら、一緒に同じものを味わいながら食べる。
子どもは寝る前に一番不安が強くなるので、毎晩、ハグして褒めてあげてください。
心と体の栄養のために、心と体をしっかり動かしましょう。運動と感動です。
なにも急ぐ必要なんてないのです。
子どもは20~30年かけて、ゆっくりと大人に育っていくものだから、毎日生きていられることをおたがい祝福しましょう。

私の尊敬する内田樹先生の縁側ラジオ、内田式子育て、なるほどと思いました。このポッドキャストの2番目のお便りへの回答です。
https://podcasts.apple.com/jp/podcast/%EF%BC%98%EF%BC%92-%E5%86%85%E7%94%B0%E5%BC%8F%E5%AD%90%E3%81%A9%E3%82%82%E3%81%AE%E6%8E%A5%E3%81%97%E6%96%B9-%E6%84%9B%E3%81%A7%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%8F%E6%95%AC%E6%84%8F%E3%82%92%E7%A4%BA%E3%81%99%E3%81%B9%E3%81%97/id1755095983?i=1000747249395

そんな健やかな「食う・寝る・遊ぶ」ができていたら100点満点です。
あとはなるべくゆっくり大きくなってね♡で、いいんです。
お母さん自身が小さな命を授かったことを感謝して、
日々成長しているわが子の「奇跡」を心から楽しめますように。

どうか頑張りすぎないでね~

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